マエストロに感謝を込めて
Maestro Signore Luigi
Luigi(ルイージ)氏は、ガラス加工の職人。ベネチアのムラーノ島出身。幼き頃よりガラスづくり、そして加工の技術を磨いてきた。結婚を機にフィレンツェに移住し、いまでは、息子と共にガラスの加工を主として会社を営んでいる。
ステラクローチェのフラコン部分は、吹きガラスの技法を用いて、Luigi氏の知人が製作。スタンダードなステラクローチェは、レーザー加工にて18Ktやシルバー925などを施し、LuxurySTELLACROCEシリーズでは、24KtやPlatinum950などを用いて、一点一点Luigi氏がハンドライトにより作品を手掛けている。
上村氏(Mr. Uemura)
“自分が納得いくまでやらないと
気がすまない”
上村氏は、山口県美祢(みよ)市出身。石灰岩で有名な秋吉台の近くで育ち、地元の特産である美祢大理石を用いて、オブジェなどの作品を40年以上にわたり手掛けている。
ステラクローチェの台座部分である大理石は、一点一点、上村氏が手作業により仕上げている。ガラスとの接触部分は、抵抗をつけるために粗く仕上げ、ガラスから引き継ぐ滑らかな曲線部分は、目の細かいヤスリで鏡面のように美しく仕上げている。僕がいつか、上村さんの工房でモノづくりについて尋ねたときに
“わしらみたいな者は、
磨く作業を1つとっても、
自分が納得するまでやらないと、
気がすまないんだ”
と説明してくれたことに、
“日本のものづくりの誇り”
というものを感じ、
とても嬉しくなった。
ステラクローチェ
それは、普遍性の結晶が詰まった
フラコンです。
イタリアのマエストロの手により仕上げられたフラコンのガラス部分には、吹きガラスによるベネチア伝統の技術が受け継がれています。
そして、日本の熟練された職人の手により仕上げられた台座の大理石部分には、日本最大のカルスト台地である山口県で、40年以上に渡り大理石工芸にたずさわる上村氏の熱き情熱が注がれています。
自然の恵みである天然大理石に支えられ、その上に人の手によって創造されたフラコンが自立し、異素材が調和し合うこのデザインには、
「これまで母なる地球に支えられてきた私たちの社会が、これからも人と自然の共存の中で永続してほしい」という理想が込められています。
このステラクローチェが単なるインテリアとしてではなく、これらの想いも携えたInterior(内面)として、皆さまの心の中にも飾って頂けたら幸いです。
デザイナー
宮田 潤
“ステラクローチェ”リーフレットより