お客様との会話の中でよく
次のことを耳にします。
・フレグランスの液が減らずに残っている
(本来3ヶ月程度でなくなるもの)
・最近はあんまり香りがしなくなった
・新しい香りは前より、薄く感じる
などなど。
使い方によって、同じ香りでも、
ルームフレグランスの香り方、
減り方は、千差万別です。
今回は、
その中で、上記のことが起きる原因と、
残っているフレグランスを使って、
再度復活させれるか、
試してみたいと思います。
■その前に、最初にルームフレグランスの成分について見てみると、
主にアルコールと水と香料となります。
※PGは、プロピレングリコールの略で
医療や化粧品など様々な用途で使用されている物質です。
そのため、もしもメーカーの
予定芳香期間を過ぎて、
液が残っているものは、
芳香に必要なアルコールが
抜けてしまった可能性があります。
すると、香料が残ってしまうことで、
皆さんが疑問に感じる1つの
フレグランスの液が減らずに残っている、
フレグランスの液はあるのに香らない、
などが起こってくるのです。
そして、フレグランス自体は、
揮発できなかった香料が残っているので、
そのフレグランスと、
新しいリフィルのフレグランス
(アルコールが定量含まれているもの)
を比べた場合、
残っていたフレグランスの方が
香りの濃度が濃いので、
新しい香りの方が薄く感じる、
ということが起こりうるのです。
■ルームフレグランスにエタノールを追加
さて、それでは、
その残ったフレグランスを使って、
再度、ルームフレグランスとして
復活させれるか、
試してみたいと思います。
ここで用意するものは
・新品から使用して
3か月半経過したフレグランス
以下「(エタノール)添加前の
フレグランス」といいます)
・無水エタノール
・スポイト
・付箋
・新品のディフューザー(比較用)
・新品のルームスプレー(比較用)
となります。
■エタノールを加える前の状況で比較
◇最初に添加前のフレグランスと
新しいディフューザーを
比べてみたいと思います。
鼻にスティックを
近づけて比較したときの感想ですが、
「新品の方がエタノールが入っている分、
薄まっていてアルコールの
スーってする感じ強く、
3か月経ったものの方が、
アルコールが抜けて
より熟成されたような香りに感じました。」
◇次に添加前のフレグランスの香り
の劣化について考えてみますが、
ルームフレグランスの劣化要因は、
酸化や光、温度が主な要因です。
これまで3か月半
使用してきたフレグランスが
新しいものと比べ、
どのくらい劣化
(違い)が感じられるかを調べるために、
ここではエタノールが飛びやすいように
ルームスプレーをティッシュに
吹きかけたものと
添加前のフレグランスを
比べてみたいと思います。
結果は、
「ルームスプレーをティッシュに
吹きかけた後の香りは、
エタノールがすぐに飛ぶので、
濃度は濃く感じます。
それに対して添加前のフレグランスは、
すでにエタノールが飛んでいるため、
同じように濃度が濃く、
人の鼻のレベルでは
ルームスプレーと
3か月が経過して劣化した
フレグランスで
大きな違いは感じられませんでした。」
ちなみに、香りによって
数か月程度では、
劣化が顕著に表れるものと、
表れにくいものがあり、
それらは、
香り(香料)の種類によって
大きく異なります。
今回の赤ワインでは、
劣化が表れにくく、
人が感じる程度では
大きな違いは感じられませんでした。
※普段のご使用状況(たとえば
高温多湿で直射日光が当たる
ところで使用していた場合)によっては、
劣化が顕著に出る可能性があります。
■次にエタノールを添加してみます。
この時、添加する量は、
残っているフレグランスに対して、
割合① 1:0.5
割合② 1:1
割合③ 1:5
の割合で加えてみます。
◇方法
最初に基準となる残っている量を1として
そこにメモリの付箋を貼り、
それに対して上記の割合で
エタノールを添加していきます。
◇割合①の場合
香料66%:エタノール33%
香り:
香料の割合が多いため、
エタノールが加わっても
大きな変化はありません。
広がり:
残念ながら、
香料の割合が多い分
あまり香りは広がりません。
◇割合②の場合
香料50%:エタノール50%
香り:
エタノールのスーっとする
感じが出てきます。
割合としてはこのくらいで
止めておきたいところですが、、、。
広がり:
残念ながら、香りの広がりは、
そこまで回復しません。
◇割合③の場合
香料16%:エタノール84%
香り:
通常ですと、濃い方の
ルームフレグランスの割合いですが、
元のに比べると大分薄くなって、
エタノールのツンとした
感じが強くなります。
広がり:
新品のものと比べると、
やはり劣りますが、
気休め程度の広がりは
してくれるようになりました。
個人的には、
割合③の1:5くらい
エタノールを添加するのがおススメです。
また、その時に、
併せてスティックも新たしいものに
されることをお勧めします。
■ルームフレグランス エタノールを追加のまとめ
・フレグランスの液が減らずに残っている
・最近はあんまり香りがしなくなった
・新しい香りは前より、薄く感じる
これらが起こる原因は、
エタノール(アルコール)が抜けてしまい、
香料濃度が上がったことに起因します。
そこで、
エタノールを、
香料1:エタノール5
の割合になるまで
エタノールを追加させることで
気休め程度ですが、
もう一度、ルームフレグランスを使用できる
という結果でした。
今回の結果は、
キアラフィレンツェの
のネロディバッコを使用した結果です。
他のメーカーの場合でも
同じような結果があてはめられるか、
保証はありません。
ご参考までに。
そして、
新しい香りの方が、
香りの広がり方の点で、
エタノールと香料がしっかり
混ざっていることもあり
やはり、おススメです。
エタノールを追加して香らせても
あくまで気休め程度の広がりでした。
以上
併せて読みたい記事
正しいルームフレグランスの使い方・足し方(cooming soon)